月7,920円で起業できるって本当!?
投稿日:2016.02.14|カテゴリー:
IT・クラウド
「起業」というと、大変ハードルの高いことに思えますが、ここ3,4年で無料ないし低コストでスモールビジネスを支援するサービスが次々と誕生し、現在の日本においては、かつてないほど起業をしやすい環境になっていると思います。
創業手帳
起業をするためには、経営者として必要な知識を一通り身に付けなければなりません。たとえば、ラーメン屋さんを始めるにしても、美味しいラーメンが作れるだけではだめで、お客さんを呼び込むための営業の手法や、最低限の会計、労働法など知識は不可欠ということです。そのような知識を身に付けるため、すべての起業家が目を通したいのが「創業手帳」です。
創業手帳の発行元であるビズシード株式会社は、創業手帳のことを「会社の母子手帳」と呼んでおり、法人登記情報に基づいて、全ての新設法人へ無償で郵送しています。また、全国のコワーキングスペースやシェアオフィスなどにも配本をしています。
従来から起業家向けの書籍は存在しましたが、創業手帳の革新性は、教科書的な解説ではなく、著名起業家やベンチャーキャピタリストなどへのインタビュー、実務家の書いたコラム、具体的なビジネスツールの紹介など、実践的な内容で構成されているということです。
これらの内容が「資金調達」「会計」「労務」といったように章立てて整理されており、創業手帳を読めば、起業のための、あるいは企業直後の具体的なノウハウに直結するような仕組みになっています。
また、創業手帳を応援しているスポンサー企業から提供される商品やサービスを創業手帳経由で注文すれば、無償ないし割引価格で入手することができるのも嬉しい特典です。
創業手帳: http://sogyotecho.jp/
会社設立freee、Bizerの会社設立
自分の会社を設立することを決意したら、司法書士や行政書士などを探して、設立手続を依頼するのが一般的でした。近年はIT技術の進化に伴い、クラウド上で会社設立書類を作成できるサービスが広がりつつあります。クラウド上のインターフェイスに会社名や資本金などの必要情報を入力していけば、会社設立に必要な書類一式が自動作成されるサービスです。
クラウド上の会社設立サービスで、広く使われており実績があるのは、会社設立freeeと、Bizerの会社設立サービスでしょうか。
両社のサービスの違いは、会社設立freeeは実費以外は原則無償なので、全自動ミニマムコストで会社を設立したい方に向いています。
一方で、Bizerの会社設立サービスは、Bizerの利用契約が前提になりますので(2,980/月)、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら会社設立をしたい方が利用すると良いでしょう。
会社設立freee: https://www.freee.co.jp/launch/
Bizerの会社設立サービス: http://incorporation.bg-bizer.jp/
会計freee、給与計算freee
会社を設立した後に後に避けて通れないのは、記帳と給与計算です。会社として事業を行っていく中で日々の売上や経費を記帳し、決算後2か月以内に確定申告をしなければなりません。また、社長1人の会社でも、役員報酬から社会保険料や所得税を控除し、給与計算を行わなければなりません。社員を雇用した場合は、勤怠の管理や残業代の計算も必要です。
これらを税理士や社会保険労務士に丸投げすることも可能ですが、創業直後の会社にとっては、顧問料の負担が難しいという場合も少なくありません。
多少無理をしてでも顧問料を負担して税理士や社会保険労務士と契約し本業に集中したほうが良いのか、それとも、できる限りキャッシュアウトを抑えるため自分で記帳や給与計算を行うべきなのか、という2択で迷っている経営者の方も少なくないでしょう。
そんなとき、第3の選択肢として考えられるのは、会計freeeや給与計算freeeを導入することです。
数ある会計ソフトや給与計算ソフトの中で、私がなぜ会計freeeや給与計算freeeを推奨するかということですが、それは「唯一の、iPhone的な発想に立った」会計ソフト、給与計算ソフトだからです。
iPhone的な発想、というのをもう少し具体的に言えば、パッケージ型ではなくクラウド型のソフトなので、いちど契約すれば常に最新のバージョンを使えることであり、また、専門知識がない人でも直感的な操作ができることをコンセプトにしているということです。
会計freeeや給与計算freee以外にも、クラウド会計やクラウド給与計算ソフトは出ていますが、いずれもある程度の専門知識がある人が使用することを前提としています。
スモールビジネスのオーナーが自ら使うという前提に立って言えば、最も優れているのは、会計freeeおよび給与計算freeeだと私は思います。
会計freee: https://www.freee.co.jp/
給与計算freee: https://www.freee.co.jp/payroll
Smart HR
会社を設立すると、社長1人の会社でも社会保険に加入することが義務です。社員を雇用したら、社会保険はもちろんのこと、加えて、労災保険や雇用保険への加入も必要になってきます。このような手続きをきちんと行っていくのは経営者の責務でありますが、1つ1つの書類を作成したり、年金事務所やハローワークへ持参や郵送するのは案外時間がかかってしまうものです。
また、これまで、社会保険の未加入は、事実上見逃されてきたということもありますが、年金事務所は未加入事務所を加入させることに本気になり始めており、法人マイナンバーによって源泉所得税の納付記録と社会保険事務所のデータを突き合わせることによって、未加入事業所のあぶり出しも容易になりました。
また、労働局や労働基準監督署も世論を受けてブラック企業の取締りに乗り出していますので、正しく労働保険に加入したり、労働者名簿、出勤簿、賃金台帳などの社内帳票を作成していくことも必要です。
そのような前提を踏まえると、このSmart HRというクラウドサービスは、社会保険や雇用保険に加入するための必要な情報(住所氏名、年金番号、マイナンバーなど)を、分かりやすいインターフェイスで経営者自身が入力、または社員から直接収集し、その情報をもとに、クラウド上で社会保険や雇用保険に加入するための書類が自動作成できるというサービスです。
同じデータベースから、労働者名簿や扶養控除申告書などの出力も可能となっています。
Smart HR: https://smarthr.jp/
Bizer
Bizerは、士業との新たな形の顧問契約を提案をしているサービスです。いくら記帳や給与計算が自動でできるようになったからといって、それが本当に正しいか不安になることもあるでしょうし、労働トラブルのようなシステムでは解決できないようなことも起こりますから、やはり身近に相談できる税理士や社会保険労務士がいるにこしたことはありません。
しかしながら、コスト上の問題などから、それが難しいという会社も少なくないでしょう。
そんな場合は、Bizerの利用契約が大きな助けとなります。
Bizerをひと言でいえば、「会社のバックオフィスのTO DOの見える化」と「専門家によるアドバイス」をハイブリッドしたサービスです。
Bizerと月額利用契約をすると、はじめて従業員を雇用する場合に何をすべきか、年末調整に向けて何を準備すればよいのか、というような、会社経営に必要なTO DOが「ダンドリ」という機能でチェックリスト的に見える化されたり、書類を自動作成できたりするサービスが利用できるようになります。
また、そのダンドリを進めていく中で不明点が生じた場合には、Bizerのプラットフォームの後ろに控えている専門家に質問ができることがBizerの大きな特徴です。
さらに、ダンドリのサポートに限らず、日々の企業経営の中で発生した、税務、法務、労務などの相談をすることの可能です。
専門家が回答する内容はクラウド上でやりとりのできる複雑でない内容に限られますが、ユーザーは追加料金なしで税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁理士から助言を受けることができます。
なお、Bizer上の回答だけでは完結せず、士業が具体的に書類作成やリアルでの交渉などを行わなければならない場合には、士業とBizerのユーザーが直接契約を結び(各士業の業法に抵触しないようBizerは関与しない)、案件対応をする流れになります。
すなわち、Bizerは、ユーザーと士業が信頼関係を築くためのプラットフォームとしても機能しているということです。
複雑な相談案件がないうちはBizerで相談をし、大きなトラブルが発生した場合や、会社が成長して日常的に複雑な相談が必要になった場合には、Bizerで信頼関係を築いた先生と直接の顧問契約を結ぶこともできるということです。
Bizer: https://bg-bizer.jp/
まとめ
ここまで紹介してきた起業家を支援するサービスの月額利用料金をまとめると、次のようになっています。会社が小さいうちは大きなコストをかけずバックオフィスを維持できる時代が既に到来していますので、良い起業アイデアやビジネスモデルを持っている方は、是非起業にチャレンジして頂きたいものです。創業手帳 | 0円 |
会社設立 | 0円(実費除く) |
会計freee | 1,980円(法人契約) |
給与計算freee | 1,980円(3名まで) |
Smart HR | 980円(5名まで) |
Bizer | 2,980円 |
合計 | 7,920円 |