キャリアアップ助成金の増額&第二新卒者採用の助成金が新設されました!

投稿日:2016.02.19|カテゴリー:

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2月10日、助成金に関して厚生労働省より2つのビッグニュースの発表がありました。

キャリアアップ助成金の支給額の拡大

1つ目のビッグニュースは、キャリアアップ助成金の拡充です。

キャリアアップ助成金にはいくつかのコースがありますが、主要なコースで1件あたりの支給額の底上げが行われることとなったのです。

いちばん嬉しい改正点は、やはり、正規雇用等転換コースで、正社員登用者1人につきこれまでは50万円支給だったのが、2月10日以降は60万円に引き上げられたことです。

年間で適用できる上限は10名なので、非正規社員のうち10名を正社員に登用すれば、合計で600万円の助成金が受給できるということになります。

次に嬉しい改正点は、人材育成コースで、Off-JTを実施した場合、外部講師への謝礼金等の上限は受講者1名あたり30万円でしたが、これが50万円に引き上げられています。

たとえば、Off-JTを受講する社員が3名であれば、150万円が謝礼金の上限になりますので、相当充実した社員研修を行うことができるでしょう。

その他の拡充点を含め、詳細につきましては、下記のリンクより厚生労働省のパンフレットをご確認下さい。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000112383.pdf

 

三年以内既卒者等採用定着奨励金の新設

2つ目のビッグニュースは、第二新卒者、既卒者、中退者などを新卒枠で採用した場合に受給できるという助成金が新設されたということです。

まだ細かい申請要領などは出ていないようですが、たとえば、大学を卒業後1年以上同一事業主に正規雇用された経験のない既卒者を一定の要件を満たして新卒枠で雇入れた場合、1年後に50万円、2年後に10万円、3年後に10万円が支給されます。

現時点でオフィシャルに分かっている情報は、下記リンク先の厚生労働省のパンフレットをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000112384.pdf

 

助成金申請の最前線での実感

このように助成金が拡充されたり、新設されたりするのは大変喜ばしいことですが、一方で、助成金の審査が年々厳しくなっていることを肌感覚として実感します。

たとえば、訓練系の助成金では、訓練の実施記録と出勤簿に矛盾がないか逐一突合せチェックをされ、5分でも矛盾があれば理由説明を求められたり、シフト制や変形労働時間制を採用している会社では出勤簿だけでなくシフト表の提出を求められるようになったりと、「不正受給は絶対に許さないぞ!」という労働局の姿勢をひしひしと感じます。

また、就業規則をきちんと整備したり、社会保険に正しく加入していなければ受給できない助成金も増えてきました。

その場しのぎで書類を整備して助成金の受給に成功したとしても、後日調査が入って矛盾が発見されれば、最悪の場合、助成金の返金となってしまいますし、Aという助成金を申請した後に、Bという助成金を申請したら、Bで提出した書類とAで提出した書類に矛盾があり、そこから足がついてしまうというケースも想定されます。

ですから、助成金を申請する際には、社労士に代行を依頼することが多いかと思いますが、場当たり的に「こちらの事務所のほうが成功報酬が5%安いから」とか「相見積で一番安かったところにする」というコストの観点のみで社労士を選ぶのではなく、やはり、継続的な顧問契約を結んだ上で、正しく、首尾一貫した労務管理を前提として、助成金を申請するべきであると、ポジショントークを差し引いたとしても、これまでの実務経験から私は強く、そう実感します。