祝、リリース!!人事労務freeeで労務管理が進化する10の観点

jinjiroumu
本日、平成29年8月1日、給与計算freeeが人事労務freeeへと進化しました。

給与計算freeeの時代から先行で提供されていた機能もありますが、人事労務freeeを使うと、人事労務に関するバックオフィス業務がどのように効率化するのかを解説したいと思います。

 

1.新入社員の入社情報の取得が劇的に楽になる

新入社員が入社したら、法律に基づき社会保険や雇用保険に加入させなければなりません。

それらの書類を作成するためには、当該社員の基礎年金番号や雇用保険番号、被扶養者の情報など、様々な情報収集が必要です。

従来は、これを人事労務担当者が1つ1つ手作業で回収し、確認をしていましたが、人事労務freeeを使った場合は、この作業が必要なくなります。

新入社員をメールアドレスで人事労務freeeへ招待すると、分かりやすいインターフェースが立ち上がり、新入社員は、そのインターフェースに沿って、基礎年金番号や被扶養者の情報などを打ち込んでいけば、自動的に入社手続に必要となる情報が一式集まるようになっています。

 

2.社会保険や雇用保険の資格取得手続書類が自動的に完成する

従来の労務管理では、新入社員の入社情報が集まると、それを人事労務担当者が社会保険や雇用保険の資格取得を申請するための書類に1つ1つ転記して、書類を作成して管轄の年金事務所やハローワークへ提出していました。

人事労務freeeを利用した場合は、この「転記」という非生産的な作業が皆無になります。

人事労務freeeでは、新入社員からインターフェースで収集した入社情報がクラウド上に収納され、その収納された情報をもとに、社会保険や雇用保険の資格取得のための書類が全自動で生成されるのです。

会社は、その人の賃金額など会社側で設定すべきいくつかの情報を追加入力し、プリントアウトの上、代表印を押せば、あとは年金事務所やハローワークへ提出するだけです。

なお、人事労務freeeを利用したいと考えている会社様の中には、IT系の会社様も多いと思いますが、関東IT健保での資格取得手続にも対応済であるところが「痒い所に手が届く」嬉しい機能です。

 

3.マイナンバーの管理で悩まなくて済む

マイナンバーを社員から預かったら、会社は、絶対に漏えいさせないよう、責任を持って厳重に管理しなければなりません。

紙でマイナンバーを回収して金庫に保管すべきか、どのようなセキュリティソフトを入れれば安心か、など、マイナンバーの管理に頭を悩ませている会社はいまだに少なくありません。

この点、人事労務freeeでは、入社時のインターフェースで新入社員のマイナンバーも回収しますが、そのマイナンバーはクラウド上に安全に保管され、必要な時だけ必要な書類に転記されるような仕組みになっています。

また、マイナンバーが閲覧されたり転記されたりすると、操作ログも残りますので、不正利用がされていないかのモニタリングも常時行うことが可能です。

マイナンバー管理専用のサービスもありますが、そういった単品のサービスでは、保管自体は安全でも、マイナンバーを閲覧したり、転記をしたりするときに漏えいするリスクがあります。

この点を考えても、マイナンバーの収集から利用、廃棄まで1つのシステムの中でシームレスに完結する人事労務freeeに優位性があると言えるでしょう。

 

4.給与ソフトへの重複情報入力が不要になる

社員に給与を支払うために、何らかの給与計算ソフトを使っている会社がほとんどだと思います。

労務管理は労務管理、給与計算は給与計算と、別々のシステムを使っている会社の場合は、給与計算を行うために、改めて新入社員の情報を給与計算システムへ登録する必要があります。

しかし、人事労務freeeの場合は、新入社員が入社時に入力した情報や、会社が社会保険や雇用保険の取得書類作成時に入力した賃金情報が、そのまま給与計算のマスタに反映されます。

ですから、ここでも「転記」という非生産的な作業を省くことができることと、情報の転記ミスによる給与計算の誤りも防ぐことができます。

また、給与計算にあたってミスが多いのは、社会保険料をいつから控除しはじめるかのタイミングのズレや、40歳以上の人の介護保険料の引き忘れ、法改正により保険料率が変更になったときの反映漏れなどですが、人事労務freeeでは、これらのような初期設定や変化点管理は、全自動で対応してくれるシステムになっています。

 

5.勤怠管理と給与計算がシームレスに連携する

人事労務freeeでは、勤怠管理と給与計算が1つのソフトの中に含まれていますので、当然ながら連携は抜群です。

ほとんどの専門型の勤怠管理ソフトが、CSVやAPIで給与計算ソフトとの連携をうたっていますが、ITがさほど得意で無い人にとっては、CSVとかAPIと言われても「はてなマーク」ですので、何も設定しなくても、勤怠情報が給与計算に反映されるという点で、人事労務freeeには安心感があると思います。

もちろん、専門型の勤怠管理ソフトのほうが、フレックスタイム制や変形労働時間制に対応しているとか、シフト管理ができるとか、細かい設定をすることはできるでしょう。

しかしながら、複雑な勤務体系を取っていない会社であれば、人事労務freeeで提供されている勤怠管理機能で充分間に合うと思いますので、システムの使いやすさを重視して、人事労務freeeに一本化するということも合理的な選択であると思います。

 

6.法定帳簿や源泉徴収票などが自動作成される

労働基準法において、会社は「労働者名簿」「出勤簿」「賃金台帳」という法定3帳簿を作成し、保管する義務を負っています。

従来の労務管理では、これらをエクセルで作成したりとか、バラバラのソフトから出力したりとかしていましたが、人事労務freeeでは、これらの法定帳簿を全て出力することが可能です。

キャリアアップ助成金など、近年は助成金を申請する会社も多いですが、助成金が支給決定されるまでの審査においては、出勤簿と賃金台帳の内容に矛盾がないかなどがチェックされます。とくに、残業代の払い漏れが無いかのチェックは厳しいです。

この点、人事労務freeeでは、勤怠入力と給与計算が一元化していますので、初期設定を間違えたり、直接編集をして意思入れをしない限り、残業代の払い漏れは発生しません。

ですから、助成金を申請する会社にとっても、人事労務freeeは強い味方になるはずです。

その他にも、納付すべき源泉所得税の自動計算機能、退職した従業員への源泉徴収票など、定期的に発生する書類の作成にも、人事労務freeeはボタン1つで対応しています。

 

7.年1回発生する面倒な手続がほとんど自動化される

人事労務に関しては、年1回発生する面倒な手続が少なからずあります。

具体的には、次のような手続が挙げられます。

1.毎年6月頃 特別徴収の住民税額の更新

2.毎年6月1日~7月10日 労働保険の年度更新

3.毎年7月1日~7月10日 算定基礎届

4.毎年12月~1月頃 年末調整

従来は、これらの手続を行うために、あちこちから情報を集めてきて転記をしたり、社員に面倒で難しい書類を書いてもらったりしなければなりませんでした。

この点、人事労務freeeには、システム内に蓄積された情報から書類を自動作成したり、社員から集めるべき情報は創意工夫を凝らした分かりやすいインターフェースが用意されていたりと、人事労務担当者の労力を極限まで削減するアイデアが詰め込まれています。

年末調整などはとくに、社労士の私から見ても「今までの苦労は何だったのか」と思うくらい簡素化をすることに成功しています。

 

8.会計freeeとの連係で、労務管理と会計が自動で橋渡しされる

人事労務freeeは会計freeeと連携していることも忘れてはならないポイントです。

給与計算を行うと、支払った給与を経費計上したり、天引きした社会保険料や源泉所得税は預り金として処理するなど、会計側の処理も必要でした。

人事労務freeeの場合は、会計freeeもセットで使っている場合という前提がありますが、給与計算を行って、その結果を確定させると、給与計算に伴う仕訳が、会計freee側に自動登録される仕組みになっています。

逆に、会計側で行った経費精算の結果を人事労務freee側に飛ばして、賃金と合わせて支払うといったような処理も可能になっています。

人事労務(とくに給与計算)と会計は密接に連携していますので、現在会計freeeを使っている会社様が人事労務freeeを使い始めると、会計freeeの使い勝手も向上します。

そして、これからfreeeを新規に導入しようと考えている会社様の場合は、会計freeeと人事労務freeeをセットで導入したほうが、最大限に自動化の恩恵を受けられると思います。(私が経営する社労士法人もそうしています)

 

9.顧問社労士との連携も人事労務freeeならば楽々

人事労務freeeを導入すると、顧問社労士との連携も密になります。

従来、顧問社労士がいる会社では、人事関係のマスタ情報は会社側か社労士側のどちからにしかなかったり、あるいは二重管理になっていたりして、非効率でした。二重管理している場合、どちらの情報が最新なのか分からなくなって混乱する恐れさえありました。

人事労務freeeが導入された場合、クラウド上にある同じマスタを会社と顧問社労士が共有する形になりますので、情報の偏在や二重管理による非効率が解消されます。

「人事労務freee上で入社手続に必要な書類が完成しましたので、プリントアウトする前に先生のほうで最終チェックをお願いします。」というような連携も可能になります。

また、勤怠のデータなども、顧問社労士と随時共有されますので、社労士が社内の労務管理状況をリアルタイム把握して、「○○さんは過去数か月残業をやり過ぎなので、このままでは36協定の上限を超えてしまいますから、今月は抑えたほうが良いですよ」といったアドバイスを遅滞なく提供するといったような、一歩進んだ顧問サービスの提供を受けることも可能になるでしょう。

 

10.人事労務freeeで顧問社労士と顧問税理士が連係してくれる!?

年末調整や住民税の領域では、顧問税理士と顧問社労士の連携が重要になる場面もあります。

従来は、たとえば、年末調整でいえば、従来は、社労士が給与計算で年末調整における還付額(あるいは追加徴収額)を計算し、それを会社へ納品。会社は、間に入って、その情報を税理士に転送する、というような非効率が行われていました。

ただでさえ非効率なのに、顧問税理士と顧問社労士の仲があまり良くなかった場合は、会社が間に入って双方の伝言係になったり、「それは社労士に聞いて下さい」「いやいや、税理士先生のほうが詳しいと思いますよ」みたいなたらい回しにあったりして、それはそれは大変だったようです。

この点、人事労務freeeを使えば、社労士が給与計算の一環として年末調整を完成させると、その結果を税理士がクラウド上で確認できますので、会社の手を介さずとも、直ちに法定調書の作成に移れるなど、社労士と税理士が連携しやすい環境が自ずから構築されます。

そして、私の経験上からの意見になりますが、freeeの認定アドバイザーになっている税理士と社労士は、「お客様の業務を効率化させたい」という志は一致していますので、お互いに積極的に連携して、効率的に業務を進めて行きたいという考え方の先生が多いという印象を持っています。

実際、私も、人事労務freee・会計freeeをフルセットで使ている会社様においては、認定アドバイザーの税理士の先生と連携して顧問先の支援に当たっていますが、どの先生も、フランクで、私自身も大いに助けられています。

freeeは早くから認定税理士、認定社労士制度の構築に力を入れてきましたので、freeeに精通した税理士、社労士が日本全国に存在しており、ユーザーサポートという面でも充実しています。

これも、freeeというソフトの利便性を高める付加価値になっていることでしょう。

 

まとめ

以上のように、人事労務freeeを使うと労務管理が改善する10の観点を述べてきましたが、労働生産性を向上させ、付加価値を生み出す業務に注力するためにも、是非、人事労務freeeを活用していきたいですね。